Punching Bag Furniture







Punching Bag Furnuture

置き家具と置き家具の間の隙間を有効活用する家具を作って欲しい。
正直言うとあまり乗り気はしないタイプの仕事。だってゴールがそのまま見えてしまうし、隙間に合わせて作るなんて受け身で成り立つモノを作りたくならないじゃない。
そんなことフツフツと考えていると、この家具は住宅の中で最下層のランクなんだなぁとしみじみ思えてきた。 その時に思いついたのが「住宅カースト」である。
「住宅カースト」とは、建築様を頂点に、その下に作り付け家具、またその下に置き家具という序列のピラミッド構造のことだ。要するに、序列の下のモノは序列が上のモノをバックグラウンドにして選ばれる(作られる)という主従関係にある。 そう考えたら今回求められてる家具は序列が最も低い置き家具にすら挟まれ、イビツに変形した場所にしか居場所を許されない奴隷のような立場の家具だ。なんかもう、それって可哀想すぎるじゃないか。。
僕はこの家具に「サンドバッグファニチャー」と名付けることにした。
最下層の立場で、左右の置き家具にすら挟まれ、殴られ、自らを変形させながら、したたかに上位に這い上がるチャンスを狙っている本当に強いヤツをイメージして。
こんな隙間は住宅にはよくあること。つまりはどこにでもサンドバッグファニチャーは現れる、とてもユニバーサルな存在なのだ。
最後に、サンドバッグとは和製英語らしいというオチがついた。。。

敷地:兵庫県 / 用途:収納棚 / 枠材:タモ集成材、棚板・引き出し:ラワン合板、扉:強化ガラス、真鍮板 / 家具寸法:W550mm D550mm H1700mm / 設計期間:2017年7月〜9月 / 製作期間:2017年10月(材料発注期間含む) /
Mountain Gear Project